2015年の仮想世界案内記3/4 「世界の一部」

今回も前回前々回に引き続き、2015年末に起きた出来事から、当時書いた日記を手直ししたものになります。
前回は、分かりやすく使いやすいUIであるに越したことはないけれど、この世界に置いてはある程度仕方のない部分があるのかも、というお話を書きました。
今回は、そんなUIの意味を受け入れられるのって、ゲストではなくキャストだからなのかな、というお話について書きたいと思います。


ゲストとキャスト、この関係性を徹底して異世界構築している身近なサービスがあります。
って書いたらもう言わずとも伝わりますよね…!
かの有名な夢の国、私の大好きな『東京ディズニーリゾート』のことですっ!!!

来場者はゲスト、スタッフはキャストとして、ある種のごっこ遊びをする遊園地だと思っていたりします。
個人的に、シーが出来てから、より強くそれを感じる事が増えました。
というのは、アトラクションやショーという "遊園地ならではの特別" ではない部分でも、世界観構築の為の小さなイベントがたくさん用意される様になったな~って思ったんですよね。

清掃スタッフがゴミ拾いしてるな~って思ったら、そのまま清掃道具を使ったパフォーマンスが始まったり。
メディテレーニアンハーバーの砦に前触れ無く吟遊詩人が現れて、リュートと歌、ダンスを披露してくれたり。
この突発イベントは『アトモスフィア』って言うそうです。

キャストが「ここはディズニーの世界です!」と、徹底して演出してくれるのが東京ディズニーリゾート。
来場者はそこのゲストとして、その雰囲気に没入して思い切り楽しみます。

でもゲストはあくまでゲスト、コスプレしての入場は (ハロウィーン時期を除いて原則) できないし、パフォーマンスする側にはなれません。
強引に出演側に回ろうとしたら、当然トラブルになるでしょうね…。
ディズニーリゾートで来場者は "ディズニーを演出する表現者" にはなれません。

それに対し、私の遊んでいる仮想世界は、ユーザーはゲストではあるけれど同時にキャストでもあるんですよね。
前回の記事内で様々な楽しみ方をしてる人について触れましたけれど、その "楽しみ" というのは全て、何某かの表現に繋がってるのかもしれないな~って思ったりしました。
製作をしない人、単にチャットを楽しみたいという人ですら、この仮想世界の中の1人としての会話であり、表現なんだろうなって。

なんでそんな風に思うのかといえば、他のサービスに比べて情報量が多いから。
文字や音声以外の情報…3Dで表現された空間もそうだし、その人の操作するキャラクターの姿形、更には仕草のアニメーション、そういったもの一つ一つがこの仮想世界を作り上げる大切な要素の一つ、みたいに感じるんですよね。

このお話を書いていて、ふと父の事を思い出しました。
10代の中頃、父に「もう何か作ったりしないの?」って聞いたことがあるんですよね。

子供の頃の父のイメージって、何かしら "作っている" 人だったんです。
AV機器の切替器を自作してみたり、パソコンのBasicで "さんすうゲーム" を作って遊ばせてくれたり…他にもいろいろ、DIYなお父さん、って印象があったんです。

でも一時期からそういうことをしなくなっていることに気付いての質問でした。
そこで返ってきた答えは「最近は生きること自体がすごく創造的なことだと思うようになったから、それで満足している」というようなものでした。

家庭に子育て、会社における人間関係、社会における自分の居場所。
様々な場面で父なりの選択をひとつひとつ重ね、積み上げて行く。
その営みそのものが、創造的で独創的だよね、というお話で、なるほどな~って思ったのでした。

閑話休題。
特別な創作活動をしなくても、この仮想世界に参加することで、その空間の一部となり、間接的ではあるけれど創造的な活動をしてることになるような、そんな感じ。
この仮想世界を "活きた世界にする為の要素" の一つに感じるんですよね。
この世界で生きること自体が、既に創造的なこと、みたいな。

この創造性を支える背景に、煩雑で難解である代わりに、幅広い楽しみ方の需要を満たす汎用性の高いUIがあって。
その汎用性によって、全ての人がキャストになることができて。
それを何となく分かってるから「使いづらいよねw」なんて言い合いながらも受け入れてる部分もあるんだろうな~って思ったりしました。

完璧に世界観が作り上げられた東京ディズニーリゾートへ、ゲストとして遊びに行く楽しさ。
それとは正反対、何もない荒野に皆で世界を作り上げて、そこの登場人物として参加する楽しさが、ここにはあるのかなって。
(そもそも、この仮想世界は文字通りの意味で元来荒野ですね。公式が提供してるのはフレームワークと空間のみで、その空間を満たすコンテンツはほぼユーザーが作成したもので構築されています)

広く、深く、広大な世界。
それを目指して、極力全部をカバーできる仕組みを求めた結果が、この仮想世界なんだろな~ってお話でした。

最大公約数的にある程度は仕方ないと受け入れている部分もありつつ、結果的にそれは運営を甘やかしているとも言えますし…ま~難しいですねっ…!
簡単で分かりやすいものであるなら、当然そちらの方が良いのは間違いないんですけれどね~っ。

おまけの余談ですが、私個人的にはそこまで嫌いなUIではないんですよね。
全体的にOSっぽいUIで、ちょっとSF感があって、これはこれで悪くないなって感じます。
別の世界にアクセスする為のOS、みたいな。

知人を私の遊んでいる仮想世界へ案内したことを発端に、UIのお話、そして私がこの仮想世界をどんな風に捉えているのかまで、ぐっと濃縮しながら整理できて、良いきっかけだったかな…。
私は私で、この仮想世界の一部として、のんびり楽しく過ごしていけると良いなぁ。