歩きたい街、暮らせない街―『NTE:Neverness to Everness』

SNSのポストを見てちょっと興味が湧いたので、基本プレイ無料のアクションRPG『NTE: Neverness to Everness』というゲームをプレイしてみました。
作り込みの細かい日本的な街並みにぐっときたのがまずひとつ、あとは私、アニメ調3Dキャラクターのゲームってほとんどプレイ体験がないんですよね…いわゆる『原神』タイプのゲームは未経験だったので、どんな感じなのかなって気になった流れです…!

そんなわけで早速ダウンロード&インストールっ!
SNSで見掛けた雰囲気からは、原神系のビジュアルとアクションゲーム、オープンワールドらしい、街並みが素晴らしいようだってことくらいで、その他の予備知識はゼロでのスタートです。
またプレイ環境はPC版、基本的にはゲームパッドでの操作で、現時点では多分12時間に満たない程度のプレイ時間…だと、思われ…思いの外もっと長時間プレイしてたらどうしよ…(((
GW開始の金曜日の夜からプレイ開始して、かなりのんびりペースで進めてメインストーリー4つめの『落札?落札!』まで進めたくらいの段階です。

NTEの世界観

現代の街並み、日本の都内や地方都市を感じさせる「ヘテロシティ」という街が舞台。
主人公は記憶喪失の異能者で、特異体質を持った存在として、この世界で様々な超常現象に立ち向かっていく…という感じの大筋になるのかな?
オープニングで起きる事件の規模や雰囲気から、超常現象に襲われた危機的状況な世界観?と思ったんですが、実際にゲームを進めてみたら全体としては全然平和な雰囲気。
超常現象はこの世界においては日常的なもので、それを利用した便利な製品も存在するくらい。また保護者が必要なものの人権を持った怪異も共存していて (かわいいマスコットみたいな感じ!)、全体としてはコミカルな現代ファンタジー感を持った雰囲気でした。

良いなと感じた点

ゲーム全体の構造としては『Grand Theft Auto』的なオープンワールドを想像してくれたらまさにそれ。
もちろん犯罪や暴力の自由度を主軸にしたゲームという意味ではなく、都市を自由に移動し、乗り物に乗り、街中のミニイベントや収集要素を拾っていく、という構造の話です。

この手のゲームのお約束をしっかり踏襲していて、ゲーム的な面で頭に思い浮かべる「あ~こういう感じかな~」ってコンテンツは大体揃ってるんじゃないかな…?
探索中に出会う定型ミニイベント(窃盗犯を捕まえろ!みたいな)に収集要素、あとはカフェ経営だったりハウジングだったりレースだったり…釣りなんかもありました。
主人公は公的機関の人なので車を接収することも可能!であると同時に窃盗も可能で、それで手配度が上がって警官に追いかけられたりするのもGTA的オープンワールドのお約束ですねっ ꉂ(ˊᗜˋ*)

次に、日本的な街並みをアニメ調3Dキャラクターで遊ぶ、これがめっちゃ新鮮…!
『GTA』や『Saints Row:The Third』なんかで遊んでいる時に「これを現代日本で、アニメ調キャラで遊んでみたいな~~~」って思っていたりしたんですが (MODを探してみたり)、その妄想がNTEで実現…!みたいなところがあります。
前述のようなゲームに比べるとだいぶ大人しい (全年齢対象だしね…!) ですけれど、必ずしもクライムアクションではなくて良かったので、やりたかった遊びができた!という点で個人的な満足感が高かったです。

更に、その日本的な街並みの中を平面的に走り回れるだけではなくて、建物を駆け上がる等、立体的に駆け回れるのがとても良いですねっ…!
これはアニメ調キャラだから違和感少なく受け入れられるのもあるし、あとはゲームとしての相性も良いと思うんです。
というのは、GTA系のゲームでちょこちょこあるのが「あ~行き止まりだったから引き返さなきゃ…」っていうめんどくささ。袋小路に入り込んでも、ビルを駆け上がって抜けられちゃう!
これのおかげで「この先行き止まりだったら嫌だなぁ…」みたいなことを全く気にせず気の向くまま思うまま、思い切り探索することができるのはとても良いですねっ(๑˃̵ᴗ˂̵)و
※余談ですけれど書いていて『Saints Row IV』をちょっと連想っ…電脳世界で超人になるお話、ビルも登れれば車よりも速く走れます…スピンオフとして面白かったけれど (ナンバリングなのにスピンオフ…!?) あれはちょっとやりすぎかな…w

そして最後に、ヘテロシティの街並み、これは本当に良いです…!
私はまだ観光遊びをしていないんですけれど、実際の都内の風景や様々な日本の作品へのオマージュが散りばめられた風景があるようです。
"アニメの中の街" として作り込みが適切、スカスカに感じることもなく、高密度すぎず、すごくバランスが良いです。
これを基本無料ゲームで!?って驚きを覚えるレベル…!

都市の表現、街並みの雰囲気として、『ベイマックス』の『サンフランソウキョウ』を見た時の感動に近いですね、現実ではない、けど非現実的ではない、"作品" としての都市表現の良さ、というんでしょーかっ…。

この絶妙な "非現実的ではない感じ" の匙加減が、探索中に出会う超常現象の発生や怪異キャラクターと噛み合っていて、構築された世界観の完成度の高さを感じます。

そういえば、看板等の各文字は中国語なのかな…?日本語でこそありませんが、配置の仕方とかがもう「ああ、これは日本っぽいなぁ…」としみじみ…。
(海外ゲームの日本って、日本というよりは中国都市感あるネオン・看板だったりしますよね、このあたり本当に日本的風景の解像度高いなって吃驚しました)

この箱庭の中をあちこち歩き回ってみる、探索してみるだけでも十分に価値があるゲームだな、と思いました。

感じた不満点

まず、キャラクターの移動速度に爽快感がないのがちょっと気になりました。
高速移動の手段として車とバイクがあるんですけれど、キャラクターが自由に駆け回れる分、乗り物移動が不自由に感じるんですよね…。

と言っても、別に乗り物移動をしたくない…!というわけではないんです。街並みが良いから車を飛ばしての長距離移動、ドライブもすごく楽しいですし。
車はダイヤルメニューから呼び出すことができるんですが、そのためには2車線以上ある道に出る必要があり、この通りに出るのがキャラクターの移動速度の遅さから地味にだるいんですよね…。
各エリアにちょっと入り組んだ商店街のような場所があり、広さもそこそこあるのですけれど、中心部で用事を済ませた後に大通りに戻るのが結構手間に感じました。

バイクはどこでも呼び出せるので、それに乗って大通りに出てから車を呼んで乗り換えれば良いのですけれど…この一手間に移動のテンポが阻害される感じ。
戦闘アクション時の移動速度との兼ね合いでこうなっているのかもしれませんけれど、ここはちょっと気になる点でした。

次にストーリーを進めるにあたって、台詞送りがめっっちゃストレス…!

私はこの手のカットシーンパート、ボイスには興味がないので "画面上に表示される台詞を読み終えたら送る" という形で進めています。
しかしカットシーン上での演技やボイス再生の関係なのか、台詞を読み終わっているのにまだ送れないことがある一方で、次の台詞は表示と同時に送れてしまい、勢いで飛ばしてしまうこともありました。
自分のタイミングで台詞送りできないイライラからボタンを連打して、今度は思わぬ台詞送りに更にイライラ…!
そんな風に、どのタイミングで台詞送りができるのか明確ではなく、ちょっと気持ち悪い感じ。

併せて、カットシーン上で表現される (台詞として表示されない) テキストもあって、読み切る前に次のカットに移ってしまったり。
読む速度とゲーム側の演出速度が絶妙に噛み合っていない、そういう印象ですね。

そもそも私は普段カットシーン&台詞なゲームをあまりやらず、こういう物語の見せ方をするものとしてパッと頭に思い浮かんだのは『Final Fantasy 14』と『ツイステッドワンダーランド』の2つかな…。
両方とも、ボイスや演技の状況に関わらず台詞送りをすると次の台詞・カットに切り替わり、読み進める上で不快感を感じたことがなかったので、NTEのストーリーは読んでいて自分のペース・テンポで進められない不自由さを強く感じました。

すごく惜しいなもったいないな、と感じた部分

これはキャラゲ、ソシャゲ的な文脈から仕方ない部分かな、とは思うんですけれど、着せ替え自由度が低いことから "ヘテロシティ暮らし" への没入感がやや薄い、というところ。

着せ替え要素自体はあるのですが、衣装解放に課金や結構な金策、実績解除のやりこみ等が必要な感じなんですよね。
舞台が現代だから、この着替えへのハードルの高さが、生活感への没入感を阻害する…もっと気軽に着替えやアクセサリーの変更 (帽子被るとか眼鏡かけるとか) がしたくなるんですよね。

現代都市が舞台だからこそ、この街で暮らしている自分、この街を歩く自分、その日の気分で服を変える自分、そんな日常感のある欲求が生まれてきます。
活きた都市を感じられる、非常に良い街並みなこともあって、余計に。

例えばこれが中世ファンタジーなRPGなら気にならない気もします。
"現代都市" が舞台のこのゲームだからこそ生まれる、着替えという日常感のある欲求が叶えづらいことが目立って、なんかもったいないな~って感じられました。

キャラゲの文脈としてキャラメイクがないのもわかりますし、ソシャゲの文脈としてキャラクターはスキン単位 (全身一式お着替え) というのも「だよねぇ…」って感じなんですけれどっ…!
主人公に関しては、物語のキャラクターであると同時にプレイヤーがゲームへ没入するためのトークンでもあるので、部分お着替えを手軽にできるとか (それこそGTAシリーズ等の様に) あっても良いかも~~~って思ったりしましたっ。
主人公以外のキャラの着せ替えに関してはボーナスで、スキン形式で全身一括切り替えで良いと思うんですけれどね。

最終的に

私の個人的な総評としては、現代日本風の街で、アニメ調キャラで自由に遊び回るっていう「やってみたい!」と思っていた理想をかなりの高精度で叶えてくれたゲームという感じでした。
一方で、この街に "暮らしている自分" としての没入感はやや薄め…移動テンポ、台詞送り、着せ替えの部分での制約が気になって、ちょっと入り込みづらいのがもったいないな~って。"街で暮らす" ゲームとして見るとこまごまと惜しいところが見えるという感じですね。

とはいえ、ゲームとして見た場合は、ちょいちょい不満点はあるものの、まぁ基本無料だしな~…って考えると十分許容範囲じゃないかなぁ?と思いますっ。
これは「無料だから雑でもいい」という意味ではなく、街を歩く楽しさの完成度がかなり高いからこそ、移動テンポや着せ替えの不自由さが余計に惜しく見えた、という感じですねっ。

私は未体験だけれど4人までのマルチもできるみたいだし、ともだちと一緒にお散歩やドライブ、SS撮影とかしても楽しそうっ…!
そんなわけで、しばらくちょいちょい遊んでみよーと思いましたっ ٩(ˊᗜˋ*)و